「調べ方」の手引き
当館に寄せられたお問い合わせの事例から、身近な歴史の「調べ方」をご案内します。
お問い合わせ事例
地名の由来や地元の歴史を調べたい
まずは地名事典を引くことをおすすめします。地名事典には、地名の由来だけでなく各地の歴史に関する説明も載っていますので、基礎的な事実確認をするのに便利です。
さらに詳しく調査をする場合は、各都道府県・市町村で刊行されている自治体史(●●県史、●●市史といったもの)や、『新編武蔵風土記稿』『武蔵国郡村誌』のような地誌等が参考になります。
たとえば行田市の場合、自治体史であれば『新編埼玉県史』『行田市史』、地誌であれば『増補忍名所図会』等があります。いずれも公刊されていますので、図書館で閲覧するなど比較的手軽に調査することができます。
参考となる文献の例
地名事典
- 『日本歴史地名体系』シリーズ(平凡社)
- 『角川日本地名大事典』(角川書店)
地誌(埼玉県、行田市に関わるもの)
- 『新編武蔵風土記稿』
- 『武蔵国郡村誌』
- 『増補忍名所図会』
先祖が忍城や忍藩に仕えたらしいが、調べることはできるか
忍城主に仕えた家臣の名簿にあたる「分限帳」という資料があります。ここに該当するお名前や苗字が載っている可能性があります。忍城主は時代によって異なりますので、城主ごとに分限帳が存在します。
分限帳には多くの士分が掲載される一方で、足軽・武家奉公人等は省かれていることもあります。そのため、分限帳にお名前がなかったとしても「忍藩士ではなかった」とすぐに結論付けることはできません。その点はご注意ください。
分限帳の一覧(城主別)
忍城主 成田氏(1400年代後半~1590年)
- 『成田家分限帳』(国会図書館デジタルコレクションで閲覧可能)
- 『成田御家臣分限帳』(『行田市史 資料編古代中世』収録)
忍城主 松平忠吉(1590~1600年)
- 慶長12年「松平忠吉家中分限帳」(『埼玉県史調査報告書 御分限帳集成』埼玉県県民部県史編さん室、1987年に収録)
忍藩主 阿部家(1639~1823年)
- 慶安年間「阿部忠秋家中分限帳」(『埼玉県史調査報告書 御分限帳集成』収録)
- 享保8年「阿部正喬軍役積」(同上)
忍藩主 松平下総守家(1823~1868年)
- 嘉永6年「松平忠国家中分限帳」(同上)
- 安政6年「御分限帳」(『行田市史 資料編近世2』附録)
むかしの行田の町並みについて調べたい
江戸時代から昭和戦前期にかけて、忍城下の行田町(本町・下町・新町・大工町)や武家地を描いた絵図、地図がいくつかあります。たとえば、江戸時代の享保年間行田町絵図には町人地の地割が描かれ、そこに暮らす町人たちの職業も書き込まれています。
『行田市史』附録の絵図、地図
『行田市史 資料編近世1』附録
- 享保年間行田町絵図
- 武州埼玉郡忍城内外全図
『行田市史 資料編近代2』附録
- 忍町略図
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〒361-0052 埼玉県行田市本丸17-23
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更新日:2025年02月21日