古代の行田
概要

行田市は豊かな河川にめぐまれ、自然堤防や台地の縁辺による微高地には古代から人々の暮らしが営まれました。展示室では、縄文時代から平安時代までさまざまな時代の集落から出土した土器や木製品、埴輪などを展示しています。市内に数多く存在する古墳群の一つ、酒巻古墳群の14号墳から出土した埴輪たちは国の重要文化財に指定されている資料です。旗を立てた馬形埴輪や渡来文化の影響を大きく受けた人物埴輪など特徴的な埴輪が並び、古墳時代の行田の繁栄を伝えてくれます。
資料紹介
酒巻14号墳出土埴輪(国指定重要文化財)

酒巻14号墳は6世紀後半に築造された円墳で、市内の酒巻地区に展開する酒巻古墳群の中の一基です。多数の埴輪がほぼ原位置で出土しており、一括して国の重要文化財に指定されています。
高句麗の古墳壁画にもその姿が見られる「旗を立てた馬」や、渡来系の衣装を着た「筒袖の男子」など、出土した埴輪は全体として渡来文化の影響を強く受けている点が指摘されています。
「旗を立てた馬」は、馬の背に旗を立てるための馬具「蛇行状鉄器」の使用法を示す唯一の埴輪で、全国的にも珍しいものです。また、衣服の上から褌をしめて装飾品を多く身に着けた「力士の男子」の埴輪も、他の古墳から出土した力士埴輪とは異なる特徴がみられます。
酒巻14号墳出土埴輪は、時期により一部資料の展示替えを行っています。ぜひご注目ください。
北大竹遺跡-儀礼の場-(令和7年6月7日から展示中)
市内の北大竹遺跡から出土した子持勾玉15点を中心に、最新出土資料を紹介しています。
北大竹遺跡は、行田市藤原町1~3丁目、大字若小玉地内に位置する古墳時代から平安時代の複合遺跡です。古墳も50基ほど見つかっており、本遺跡を中心に若小玉古墳群が形成されています。
令和元年(2019)から2年(2020)にかけて、公益財団法人埼玉県埋蔵文化財調査事業団が実施した調査(第18次調査)では、全国最多となる45個の子持勾玉をはじめ、土師器、須恵器、環頭大刀柄頭などが発見され、注目を集めています。
この記事に関するお問い合わせ先
郷土博物館
〒361-0052 埼玉県行田市本丸17-23
電話番号:048-554-5911
ファクス:048-553-4951
メールフォームによるお問い合わせ
更新日:2025年06月09日