算額

更新日:2022年01月20日

算額とは、江戸時代中期に始められた風習で、額や絵馬に数学の問題と解法を記して、神社仏閣に奉納したもので、和算の研究成果や学問の向上を祈願して奉納されたといわれています。

この算額は、天保8年(1837)9月、平井尚林の門人であった飯島平之丞秀勝が、下忍地区の琴平神社(下忍神社に合祀)に奉納したものです。縦57センチメートル、横63センチメートルの杉材で、二重の和算の問題と解法を示しています。平井尚林は、進修館の数学者田中算翁(さんおう)の教えを受けた人です。

算額が流行して、全国の学徒は学力を争うようになり、特に田舎の和算家にとっては、算額が絶好の発表方法となり、各所に算額が発見されています。忍藩を中心とした地方に特に多く発見されていますが、これには行田の特殊事情があったようです。つまり、利根川と荒川に挟まれていて常に洪水の危険にさらされていたので、測量術が強く求められ、和算の必要性も強かったためと考えられます。また、郷土の生んだ数学の天才田中算翁の影響も大きかったものと思われます。

  • 読み さんがく
  • 区分 市指定民俗文化財
  • 種別 有形民俗文化財
  • 員数 1面
  • 所在地 行田市下忍  個人所有
  • 時代 江戸
  • 形状 縦57センチメートル、横63センチメートル
  • 公開/非公開 非公開
  • 指定年月日 昭和41年2月17日
板に奉納の文字と大小の円で作られた2つの図形、その下に漢字の文章が書かれている算額の写真
円すいの中に大球の文字が書かれている球体と下に小さな球体が繋がって円が作られている、板に描かれた図形の写真
大きな円の中に縦に大中小の円が3つ、中心の丸の左右に丸が描かれて合計5つの丸がある、板に描かれた図形の写真
図形の下に漢字で書かれている文章を拡大した写真

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