要中録(五巻)

更新日:2022年01月20日

『要中録』は、弘化4年(1847)8月、行田下町の表立(おもだち)に就任した佐野屋長左衛門が、町政執務の手控えとして町方の御用箱に保存されていた故実・先例となる諸記録を書写集成し、さらに自己の経験・伝聞を御用日記風に書き加えていった記録です。

享保から明治2年までの忍藩の行事、風俗、諸出来事が記されており、長左衛門が表立に就任した弘化以降の事柄は、彼の仕事から覗いてみた町の姿がいきいきと描かれています。表立は町年寄と一般町民を結びつける位置にあり、町内の世話から治安・博奕(ばくえき)の取り締まり、社会教化にまで気を配り、人馬継立(つぎたて)、公儀役人の案内、火消しにまで当たりましたが、最も大きな仕事に町内の諸掛りの割り当てがあり、そうした日常から町の動きが捉えられています。

近世の行田町はたびたび火災に遭い、古い記録がことごとく失われたこともあり、町年寄梅沢家の文書とともに、忍藩時代を伝える数少ない資料の一つで極めて重要です。

  • 読み ようちゅうろく
  • 区分 市指定有形文化財
  • 種別 古文書
  • 員数 5巻
  • 所在地 行田市行田 個人所有
  • 時代 江戸~明治
  • 公開/非公開 非公開
  • 指定年月日 昭和41年2月17日
深緑色の表紙で「要中録」のが書かれた薄れた文字が見える一巻から五巻までが並べられている要中録(五巻)の写真
見開きされたページに墨で描かれた文字が書かれている要中録の写真

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