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公開日:2011年12月22日
仏教の聖典の中で、写経の功徳が強調される経典であり、唐の玄奘三蔵(げんじょうさんぞう)が伝えた600巻を「大般若波羅蜜多経(だいはんにゃはらみたきょう)」と呼びます。
そのすべてを読まずに最初の経題と訳者名を読み上げながら、折本の大般若経をぱらぱらと送る転読が大流行し、今も大きな儀式の折にはにぎにぎしく行われています。
この大般若経は、全600巻中、巻298の一巻が欠けています。現在は折本形式で、10巻ずつ請箱に入れ、20箱、200巻がそれぞれ三つの経櫃(きょうびつ)に納められており、巻末の注記によれば、巻子本(かんすぼん:巻物)であったものを長久寺四世重僌上人(じゅうちんしょうにん)がこれを求めて長久寺に納めたときに折本にしたとあります。
書写年代及び写経者については、巻380の奥書に記載があり、武蔵七党猪俣党藤田氏の分流である桜沢氏が本願檀那となり、明応7年(1498)に児玉郡阿那志村(あなしむら:現埼玉県美里町)の円福寺において書写したものであることがわかります。この時代における在地土豪層の信仰の姿をよく伝えています。

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